うさぎのねどこ

二人の息子育て・忍耐強い自分育てに奮闘中

家政婦は怒った!

私の伯母さんは無類の猫好きです。というか動物は蛇以外ナンデモコイ!
動物からも好かれます。うちの犬も大好きみたいです。
婆ちゃん似で「30倍元気にしてる市原悦子」っぽいこの伯母さんのお話は、気づくと
猫ちゃんが主語になっているので注意深く聞いてないといけません。


さて今回はこの伯母さんの猫ちゃんの…ではなく、スズメの話。
伯母さんの近所にスズメを飼っては上手に育てられずすぐに死なせてしまうお宅がありました
しかし何度目かの挑戦の末、3〜4年間ほど育てたスズメが朝放すと夕方には帰ってくるように
なりました。
こうなるとかわいくて仕方ありません。
ある日、いつものように夕方の帰宅を待っていましたが、いくら待ってもスズメは帰ってきません
家族全員が動物好きのこのお宅では家じゅう大騒ぎになりました。
すると、近所のおばあさんがしれっとした顔で「うちの猫に食べさせた」というのです。
スズメをかわいがっていた奥さんは悲しくて悲しくて、やりきれない思いでいっぱいになりました
数日後、掃除機の中から亡きスズメのうぶ毛が見つかったので、せめてものなぐさめに
この一片の羽毛を財布に入れ、大事に持っていることにしました。


同じ猫好きとしても許せないようで「私だったらこの婆さんひっぱたいてやるッ!」
市原悦子似の声をひときわ高くする伯母さんに「なんだか昔話みたいですねぇ」と
呑気な感想を述べると、かなり残念そうな顔をされましたが、この話を聞いてから
ずっとこの話を題材にした『昔話』を考えています。


恩返しモノの常道としては羽毛を入れたお財布から大判小判がザックザク出てくるのでしょう
では近所の悪いお婆さんはどのように懲らしめられるか?
自分のかわいがっていた猫が突然うめきだして何かと思えば口から大判小判がザックザク
…それじゃ懲らしめにならないし、言われた通りスズメを食べた飼い猫だけが馬鹿をみちゃう
徹底的に懲らしめるためには、お婆さんにはもう一つくらい悪事を働いてもらわないといけない
この奥さんのお財布をひったくるとか。
…大金を手にしてウハウハしていていたところ、どこからか税務署にバレて何故か追徴課税され、
仕方なく納付しようとしたら貸金庫に入れていた筈の大判小判がいつの間にやら石ころに
変わってしまっていましたとさ。<終>
うーん。イマイチ。


昔話の世界では、「良いか悪いか」の2Bitで物語が進むので分かり易いです。
でも実際に似たようなことが起こってしまうと、このお婆さんを「悪いお婆さん」だと
断定してよいものかどうか。
もしかしたら野生のスズメは飼っちゃいけないのでは?
人に馴れてしまったスズメは長生きできないのでは?
猫にあげたのがバッタやカエルだったら??
もしこのお婆さんが悪意で自分の飼い猫にこの「近所の人が飼っているスズメ」を
エサとして与えたのなら、お婆さんが悪いと思います。ただ、足輪でもしてないと、
野良スズメと区別するのは難しそうです(でもこのお婆さん、断言してるんですよね?
ただの憎まれ口だったのかも?)


ひとのものさしはまちまちだから一概に良い悪いは決められないなぁというのが
今回の私の感想です